古川が全然ブログを書いてくれないので、木下が書きます。
もうすぐ、夏も終わりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
受験生の皆様は充実した夏が送れましたか。
さて、木下は怪我のため柔道ができないのでその間に読んだおもしろい本を紹介します。
受験生の方も息抜きに読んでみられてはいかがでしょう。
今日紹介するのは社会経済学者で東大柔道部の部長でもある松原 隆一郎先生の「武道を生きる」です。
この本は、松原先生の体験や柔道の歴史を通じて武道のあり方を考えるというものです。
柔道の歴史で、三角絞めを岡山大学が開発した話や、嘉納治五郎先生が柔道を考える上で路上で一対多の対戦を想定しており、当て身技の研究もしなくてはならないとしていたといった話などこの本で初めて知ることが多かったです。
また、フランスでは「礼儀・謙虚・尊敬・誠実・勇気・自己コントロール・友情・名誉」という柔道から学べる八つの道徳についてできたものから可愛いイラスト入りのシールを貼ってもらえるとの話も興味深かったです。
武道のあり方として、柔道では講道館が武徳会と高専柔道の衰退に伴い対立軸を失い家元化、自閉化してしまい、国際的に発言を充分してこなかったなどと批判は痛烈です。
その中で、武道の特徴として、「礼法を守ることにより、戦場と日常を行き来する場面転換が可能になるのである」としている点が興味深かったです。礼法があるため、思う存分人間の持つ攻撃性を乱取りや試合の中で解放し、両者の日頃は見せない部分を見せ合うことができるのだと思います。そのため、乱取りや試合が終わり、礼をして日常に戻った後、日常で見せ合うことのない面を見せ合った仲として旧知の友のように談笑できるのだと思います。
このように、初めて会った相手であっても一度乱取りすればすぐに仲良くなれるのは柔道の大きな魅力だと思います。
さらに、著者は「武道」は社会資本であると述べています。嘉納先生の言葉の解釈として武道は粗暴さを飼い慣らすための技法であり、武道を通じた社交が得てして粗暴になる若者を有為な社会人に育てるのだと述べるのです。特に町道場は、年少者から年長者までが交流できる社交の場であるとしています。
これも、その通りだと思います。事実、木下が通っている町道場でも、小学校低学年から社会人まで一緒に稽古しており、そうした繋がりは得難いものだと思います。特に、学校だけが世界のすべてになってしまいがちな小・中・高生には、この町道場の良さを知ってもらいたいと思います。
というようななんだかとりとめのない文章になってしまいましたが、まだまだ面白い内容がたくさん載っているのでお勧めです。
木下
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